
いよいよ全世界配信されたONEGRAMの最新アルバム「THIS IS US」。
前回はメンバーによる各楽曲の解説をお届けしましたが、今回はSakkoとYathによるオリジナル作品の「歌詞」について、どんな想いで言葉を綴ったのか、どんなメッセージを込めて作ったのか、などを解説してもらいました。是非ともアルバムと共にお楽しみください。
前回の記事はこちらより
“Fire”
この曲のトラックを聴いた時に1番最初に頭の中に浮かんできた映像が、2000年代初期頃に流れていたペプシコーラのCMでした。USのディーバ御三方がコロッセオの舞台で剣闘士の姿をして、映画にもなりました某バンドの有名曲を吠えるように歌い、それに民衆が手を挙げ、声を上げ沸き立っている。というようなCMだったのを覚えています(このCMも恐らくコロッセオが舞台の映画のパロディ、だったはず)。 剣を捨て、音をパワーにするその力強さみたいなものがトラックから感じられ、サビの部分1コーラスがツラツラっと出来たので、なんだかこれはこれでアルバムの1番最初に持ってきても面白いんじゃないかと思っていたのですが、フルで作ってみてはどうかと意見をもらったので、サビのイメージのまま、LIVEでやることも意識して聴いてくださる人の脳にやきつくような仕掛けも入れ込みながら仕上げました。言葉遊び的な要素と日本の音楽の歴史にリスペクトの意味も込めて、書き始めたら止まらなくなってしまいまして、、、まだまだ書けそうな曲でしたが一応2番で止めました。正味20〜30分ぐらいで出来たのではないかと。ちなみにONEGRAMのリハに行く途中にある某楽器店の看板にも同じようなテーマが描かれていて、その道を通るたびにこの曲が頭の中でループします。
(Sakko)
Fire
“I’m a…”
コンピュータースクリーンの中〜チカチカしてる文字〜♪から早30年近くが経とうとしている昨今では、ソーシャルネットワーキングサービスは、人々の生活に欠かせないものとなっているような気がすします、良くも悪くも。 AIが発達し、世の中のあらゆるものが便利になりつつある一方で、人が人として人と向き合い触れ合う生身の体験というものがかなり減少してきている傾向にあると思います。電話や写真・動画などがなかった時代、情報は自分の手足を使ってdigしに行っていた時代はなんだか遠い昔のよう。私の姪っ子を見てみても幼い頃からスマホを器用に操作していたし、この時代に生まれてきた子供達はこれから更に発展するだろう未来を生きていくわけで、そんな中で生き抜いていく時に一人取り残されたような感覚に陥ったり、自分が何者かわからなくなってしまったりしないように、あなたの存在はちゃんとそこにあるよ、と伝えれたらいいなと思ってたらこんな曲が出来ました。 自分の人生はもちろん自分次第、だけど、周りの人に恵まれると世界はとても鮮やかなものになることを、知って欲しいなと想いも込めて。
(Sakko)
I’m a…
“Still Alive”
この曲はうちのバンド初の詞先で作った曲になります。丸々一曲詞を先に作るという作り方は、私自身初の試みでした。なかなか歌詞が書けなくてちょっとしたスランプじゃないけど、どうしたらいいのだろうかと思っていた所、プロデューサーの高宮さんの方から違うやり方で曲を書いてみたらどうかと提案があり、この形に至りました。 10代20代を経て30代の後半になりそろそろ40代に突入する、多からず少なからず様々な経験をしてきた今だからこそ書けた曲かなと思います。 自分の性格的に過去を振り返るという行為をほとんどしないのですが、この曲の歌詞を書く際には本当に色んなことを思い出しながら筆をすすめました。きっと何年経ってもこの曲を歌うときにこの感情を思い出すだろうなと思います。自分の人生を一旦振り返る良い機会になりました。うん、悪くはないね♪
(Sakko)
Still Alive
“果てしない旅路”
私、生粋のおばあちゃんっ子でして、この曲はそんな大海原のような祖母のことを想って書きました。 祖母が亡くなった時は、この世で1番の最強の味方を失ってしまって心にポッカリ穴が開いたようなそんな気持ちになったのですが、なんだかいつもその辺で見守ってくれているような気もして、、、 大切な人を失う悲しみや喪失感というものを抱えてこれからどんな風に生きていくのか、それでもこの道程は続いて行くし、命あるものは必ずその命が絶える時が訪れる訳で、これが永遠のテーマだな、と思いまして。 今自分の周りにいる大切な人たちに、会いに行こう、電話をしよう、そんな風に思わせる曲になっていたら嬉しいなと思います。また、もう会えなくなってしまった人には、いずれ逢えるから遠いところから見守っていてねという気持ちで、今歩いている人生の道を進んで欲しいなという想いも込めて。 果てしない旅路 = Life Goes On !
(Sakko)
果てしない旅路
“キケンなラズベリー”
アダムとイブがリンゴを食べたと言われているように、セクシュアルな表現に度々用いられるフルーツ。チェリー、ピーチ、マンゴー、etc… そんな中、私が選んだのは甘酸っぱいつぶつぶのラズベリーでした。 不思議な国に迷い込んでしまった少女が、危険な香りのする果物にダメだと思いながらも惹かれていく様子を、童話の世界観になぞらえて、まるで一編の映画を観ているような感覚に落とし込んで曲にしました。 誰だって疲れている時、弱っている時に優しくされたら心が揺さぶられるものです。(別名吊り橋効果とも言うらしいですね) この曲はそんな日常に溢れている一コマを愛らしく、色彩豊かに、繊細な描写で、わたしのカラーで表現してみました。とかなんとか言っちゃってアーティストっぽく格好つけていますが、トラックをもらって1番最初にサビ後半の「あーなたはーキケーンなラーズベリー♪」っていうフレーズがぽっと浮かんだので、こんな感じの仕上がりになったってわけです。でもこれ実話です。気になる方はぜひこの曲を聴いた上でライブにお越しいただいて私に曲の経緯を尋ねていただければ、と。
(Sakko)
キケンなラズベリー
“五月雨のあとに”
テーマは「愛」。王道中の王道のストレートなラヴァーズ・ロックです。恋人やパートナーに限らず、ファミリー、仲間、動物、などなど、万物への愛。 特にこの曲のサビ部分に関しては、日本語の持つ言葉の美しさを意識して、レコーディング直前まで練り直しました。どストレートな歌詞なだけあって、そこをどう上手く綺麗な表現で魅せるか、というのをすごく悩んで、日本の作詞家さん達の作品を色々聴いたりみたりして参考にしたり、古くは和歌や短歌などの文献も開いたりなんかしてみたり。 私自身が普段から本当に周りの人たちに恵まれていて、だけどそれが当たり前にあるこの日常というものに、日々過ごしていると「これが普通だ」と何も気にしなくなりがちなんですが、それを改めてこの曲を聴いて何かを感じとってもらえたら、もうそれだけで充分だな、と。 好きな人が好きでいてくれること、偶然知り合って仲良くなること、家族になれること、同じ趣味を共有できること、出会えたこと。 これって本当に奇跡!
(Sakko)
五月雨のあとに
“Life”
最初のデモはもう少しBPMが早かったり、曲調も違ったりしていた作品です。その最初の段階のデモで大半の歌詞を作っていました。確かちょっと都会的なイメージのトラックだったので、それを聴いてすぐさま浮かんできた脳内の映像をそのまま歌詞にしました。 世界中何処にいても、1日は24時間で1週間は7日という、世界中の誰にでもたった一つこれだけは平等にあるもの、それが時間かなと(感じる長さは人それぞれですが)。そしてその時間の積み重ねがそれぞれの人生を創りあげる。 最終調整に入った時に、この曲はガラリとイメージが変わったので、もしかしたら歌詞の雰囲気が変わるかな〜と思ったのですが、意外にもテンポを落としてレゲエ味を増しても、お、結構合うな、となりまして、そのまま最後まで作りあげたって感じです。 時間は普遍的なものであり、その中で生きるわたしたちは一人一人がそれぞれの人生を歩む、相反しているようで上手く混ざりあっている、そんな感覚を、比喩を交えて描いてみました。
(Sakko)
Life
“手を”
これまでのONEGRAMのオリジナル曲の作詞担当は全てSakkoでしたが、こちらの曲は自分が作詞をしました。現代社会は目まぐるしく変わる激動の時代ですが、そんな中でも身の回りの日常はいつもと変わらず何となく過ぎて行く…でも、そんな何気ない日常も実は世間の「どこかの誰か」の日々の仕事や行動、そして思いによって成立しているもの。だからこそ、自分の身近な存在を大切にして、どう向き合うか。リズムが激しく変化するこの曲を現代社会になぞらえ、日常の尊さと言う普遍的なテーマを詞にしました。殆どの初めての作詞でしたが、伝えたいメッセージはしっかり込められたと思います。
(yath)
手を
前回の記事はこちらより

渾身のニュー・アルバム「THIS IS US」をリリースするONEGRAMが、2025年7月18日(金)に下北沢LIVEHAUSにて発売記念ライヴ・イベントを開催します。アルバムに収録された楽曲を余す所なく披露する貴重なライヴです。DJにCHINTAM、DJ WATARAI、ナツ・サマー、ROCK-TeeとONEGRAMにゆかりのある豪華DJ陣も出演し、イベントを盛り上げます。
是非ともLIVEHAUSへお越しください。

ONEGRAM “THIS IS US” Release Party
Live :
ONEGRAM
DJ :
CHINTAM, DJ WATARAI, ナツ・サマー, ROCK-Tee
(A→Z)
Date : 2025.07.18 (Fri)
Open : 19:00 / Live : 20:00
Venue : LIVEHAUS (下北沢)
ご予約: 3,000yen (Drink別)
当日: 4,000yen (Drink別)
通常価格4,000円のところ、前売りチケットですと3,000円(ドリンク代別)にてご観覧いただけます。前売りチケットご購入の方は下記のリンクボタンよりお進みください。(クレジットカード、コンビニ決済に対応しております
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