クラブ・シーンにもっとも近いと言われる、日本屈指のサルサ・バンド “CENTRAL(セントラル)”。キング・オブ・ラテン・ソウルこと”JOE BATAAN(ジョー・バターン)”来日公演時のサポートメンバーとしてや、シンガーの”なかの綾”とのコラボレーションなど、昨今めまぐるしい活躍で、その存在を確実なものにしてきた。
メンバーは、西岡 ヒデロー(Timbales)、首藤 晃志(A.sax and Flute)、中野 たいじ(Vocal)、及川 浩志(Bongo and Vocal ※現在休み)木戸 豊(Keyboards)、宮内 岳太郎(Trombone)、栗原 健(T.sax and Flute ※休止中)、豊田 “ミルキー” 猛裕(Conga)、南條 レオ(Bass)の9人と、ちょっとした大所帯バンド編成だ。
そんな彼らが、この2024年でバンド結成25周年を迎え、満を持して、まさに待望すぎる待望のアルバムをFlower Recordsより発表する。
今回は、25年の月日を経ても、変わらない彼らに、この25年間の活動を通しての感想とともに、ニューアルバム『Flor De Roble』についてのお話を聞いてみた。
このインタビューは全3回に分けてお届け致します。
最終回となる第3回目は、いよいよ発売が迫ったアルバム「Flor De Roble」について語っていただいた最終章です、それではどうぞ!
前回の記事はこちらより
─6曲目が「タオル」、クレイジーケンバンド(以下、CKB)のカヴァーですね。
レオ:CKBは基本的に楽園バンドだと思っているので、語弊がありますけれど(笑)。でも、やりやすかったです。さっきも言いましたが、コロ-カンタを入れることさえ許してもらえたら、セントラルがカヴァーしたって感じになるかなって。いつか剣さんにお会いできたら、感想を聞きたいです。
ヒデロー:レコーディングが終わったあとに、剣さんに会ったけど「最高っす!」って。
レオ:できれば、本人から聞きたかった(笑)。
─ボーカルは結構大変だったのでは?スペイン語とポルトガル語と、日本語、英語とを使い分けて歌われていますよね。
たいじ:そういう苦労は全然なかったです。日本語だろうと、英語だろうと、ポルトガル語だろうと音なので。基本的には、カタカナでやっているような感じなので、そこに差はなくて。ただ「タオル」は剣さんという強力なオリジナルがあって、そこにいかに引っ張られずに歌えるかという部分ですね。どうやってもやっぱり剣さんみたいに歌おうとしてしまうので、そこが大変というか、意識はしました。でも、どうやっても剣さんになるから、剣さんはスゴいとおもいましたね。
─では、7曲目の「What Do You Like About Me」ですが。
キャプテン:この曲は、今日は仕事でまだ来ていないキーホードの木戸(豊)さんの曲なんです。
ヒデロー:これもちょっとむかしにやったことある曲なんですよね。
キャプテン:そうだね。
ヒデロー:歌詞がかわいらしい英語の曲。木戸らしい曲です。
─作詞作曲とも木戸さんなんですね。
レオ:こういう曲って、一応セントラルのライブで入れることがあって、バンドとしてひとつの引き出しではあったりします。
キャプテン:ちょっとロックっぽい曲ね。彼の好きな感じで、それも色として入れた感じです。良い曲だと思います。
─8曲目は「ふわふわ」ですが。
ヒデロー:作詞作曲がボクで適当というか、首藤さんにボーカルをとってもらって、一曲書きたいなとおもったときにポンと浮かんで、「サクッとやって!」と言ったらやってくれた曲です。
キャプテン:ライブとかで、ボクもたいじの代わりにボーカルをとったりするんですけれど、そういう流れで、ボクが歌うところを作ってくれた感じですね。喜んで歌いましたよ!
たいじ:あんな難しい曲、よく歌えましたね。
キャプテン:最初はグダグダだったけれど、一回歌うと体に入ったので、たのしく歌録りさせてもらいました。
─ちょうどいい感じの力の抜け具合で歌われていますよね?
たいじ:そうなんですよ!
レオ:タイトルに引っ張られてます(笑)??
─タイトル通りのふわふわ具合かなと(笑)。
キャプテン:普段、ふわふわ生きているので(笑)。ありがたかったし、うれしかったです。
─最後に、結成25年経ちましたが、今後の展望を教えてください。
ミルキー:今年一年はこれで頑張りたいと思っています。先はまだ想像できないですね。個人的には、まあ頑張って生きていきます(笑)。
キャプテン:メンバーのみんなもいろんなフィールドでやっていますし、集まったときに楽しいというバンドでありたいですよ。だから、現状維持かな。そんなにでっかい夢とか。。。
ヒデロー:ないよね。
キャプテン:自分が持ち込んできたエッセンスをメンバー内で「どう生かすか?」というのをずっとつづけていければいいかな、健康に気をつけて。そういう年代に差し掛かってきたので(笑)。ちょっとしたことで風邪を引いてこじらせたり。いま、離脱しているメンバーもいますけれど、人生これからまたナニがあるかわからないので、とにかく集まって楽しくやれればと思います。
レオ:ボクは久しぶりに野外でやりたいですね。あとは、新しい写真、アー写を撮りたい(笑)。随分経っちゃったなーと。
─Flower Recordsのサイトに載っているアー写はいつのなんですか?
レオ:4年くらい前のなんです。
たいじ:やっぱりつづけたいなと。25周年、25年やったというのもありますし、世界的に言えば70歳とかでやっている人がいっぱいいる世界じゃないですか、ラテンって。だから、つづけたいとおもっているので、現状維持って感じです。軽く生きつつ、40周年、50周年は目指したいですよね。そこに楽な感じでいけたらいいなと思っています。
ヒデロー:ボクもそうですね。特に、セントラルで「お金を儲けるぞ!」と思ったことは一回もないので(笑)。みんなでなんとなく楽しく、ユルく、あまり気を負わない方が長くつづけられるから、長くやっていければいいなとおもっています。
岳:ふわふわとね。
ヒデロー:さすが(笑)!
岳:ボクも漂うように、お客さんといつまでも楽しめる感じでいきたいなと、いければなとおもっています。
たいじ:とにかく、演奏していて楽しいんですよ、このバンドは。そこに尽きるかなと。悪い意味ではなく、全然シリアスじゃなくて、だからやっていて楽しい。「なんでうまくなんねーんだろうなー」とか、「ちょっとうまくなったような気がする!」とか、そういうのをずっとやっている感じです。そうしている側が本当に楽しいというのが、たぶんいいと思うし、つづいている理由だと思う。つづけられるというか、終わりがないみたいな(笑)。
─ありがとうございました!
取材・文:カネコヒデシ(BonVoyage)
撮影:def130