高宮永徹の ET Blog #008 CENTRAL その3

前回からの続き)

慌ただしく過ごした2023年もあっという間に終わり、2024年が明けました。
しかし僕は、大晦日のカウントダウンパーティでのDJを終えて朝10時ごろに帰宅、即バタンキュー(死語ね)で、元日の昼過ぎに目が覚めたものの、何だか非常に身体がだるく、、、
念のため体温計で熱を測ったところ38.5℃との表示が。
こりゃしんどい訳だ、という事で楽しみにしていたお屠蘇もいろいろ用意した料理もほぼお預けで、寝込みっぱなしの三が日を過ごしました。

で、予定していた1月4日のレコーディングが目前に迫った前日、既に熱は下がってはいたものの、世の中インフルだのコロナだのと、いろんなアレコレが流行っている時期だったので、共同制作者のMusic O.A.K. 浅井さんに連絡したのでした。

「ちょいとですね、、元日から熱出してしまい、、もう下がったんですが、明日参加しても大丈夫ですかね…..?」
と恐る恐る訊いたところ「あ、メンバー多分全然気にしないと思うのでいらしてください〜!
とお返事を頂戴したのでした。
そして当日、ガッツリマスクを掛けて(当然充分な数の替えも用意して)レコーディング現場へ向かったのでした。

今回、アルバムには全8曲を収録予定ですが、年末に何度かリハーサルスタジオに入り、アレンジの詰め作業をしっかりと行っていたので、割と順調にレコーディングは進みました。
中でもヒデロー君の的確なディレクションが冴えまくりで、僕はすっかり安心してマスクをちょろっと外しては目の前のお菓子を頬張っていました。

レコーディングは、1番大きなルームにベースとティンパレス、それにキーボードを配置し、その部屋とアイコンタクトが取れる奥の部屋にコンガ、そしてもう一つある別の部屋でヴォーカル、というセッティングで進められたのですが、浅井さんの的確なマイク選定とセッティングで、コントロールルームのラージ(1番大きなスピーカー)からはご機嫌なサウンドが飛び出していて、僕はノリノリでお菓子を頬張ってました、ちょいちょいマスクをずらして。

左から木戸豊 (Keys)、Milky (Conga)、西岡ヒデロー (Timb)、南條レオ (Bs)

確かレコーディングの初日と2日目は、先のようなセッティングで主にリズムセクションの録音を行い、3日目はホーンセクションとヴォーカル、コーラスなどを録音したのですが、さすがに8曲あるので、その全てを録り終える事は(予想通り)出来ませんでした。
改めてメンバーのスケジュールを調整してもらい、後日追加のレコーディングを行ったのでした。

そんなこんなで1月の中旬から下旬にかかる頃(だったかな)には、全てのレコーディングを終えたのですが、全ての楽曲のアレンジ、演奏、そして録り音、、全てに満足のいくレコーディングセッションとなりました。

やはり結成25周年を迎えるバンド、その辺りはさすが!です。
息もぴったり、ギャグもツボにハマりまくりで、産みの苦しみも味わいつつ、とても楽しい時間でした。
そして、レコーディングエンジニアの浅井さんの録り音も本当に素晴らしかったです。
マイクの立て方ひとつで、ともすれば台無しにもなってしまうのがレコーディングなのですが、やはりそこはさすがプロ!でした。
浅井さんはみんなが休憩している間にも、1人リアンプ処理(説明すると長いので気になる方はググってみてくださいね)などしてくれて、スタジオの超高級機材を隅々まで活用して、ポテンシャルの高い「良い音」を記録してくれたのは、本当にありがたかったです。

さて、その先はミキシング作業に移行するのですが、それは僕の担当です。
正直、ここまでガチなサルサバンドのミックスをした経験がなく、通常であればドラムセットの音作りから手をつけるのがセオリーだったりしますが、ドラムセットがない、しかし音数は多く、正真正銘のダンスミュージックなので「上手く仕上げられるかなぁ…」という不安を抱えてのミキシングに突入したのでした。

もちろんそれまでの間に、それこそFaniaの名盤を始めとした70年代ニューヨーク・サルサや、90年代に旋風を巻き起こしたニューヨリカン・ソウルのCDを久しぶりに引っ張り出して聴き込んだり、最近ものの人気盤をチェックしたりと、僕なりに研究してはいましたが、実際に上手くまとめられるか不安で不安で。
でもいざ始めてみると、結果的にとても楽しく作業を進めることが出来ました。

録り音が良いとミックスは本当に楽しいです。
仕上がりについてのジャッジは、バンドの皆さんとご購入されたお客様にご判断いただくとして、個人的には満足出来る内容に持って行けたかな、と思っています。

という訳で、実は既にアルバムに収録予定の全曲が完成しているんですね。
ただ、ここ最近(といっても数年前)は、なかの綾とCENTRAL名義での発売はあったものの、彼ら単体でのリリースはかなり久しぶりとなるのでシングルを先行で切り、恐縮ですが皆さんを焦らしつつ、、秋にいよいよアルバムをリリースいたします。

それまで、まだもう少しだけ時間がありますが、先行でリリースされた”Samurai”(7インチ・アナログは完売御礼!)をご愛聴頂きつつ、更に8月リリース予定の”Pastime Paradise”でワクワクを膨らませていただき、秋のアルバムをお待ち頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。

そうそう!もう間もなくですが、6月27日の木曜日にはCENTRALのライヴが渋谷・笹塚にある笹塚ボウルでありますので、彼らの奏でるカッコいいラテン・グルーヴを、是非ともナマで体感してくださいね!

CENTRAL、6月27日にライヴやります!

2024.06.27.Thu at 笹塚ボウル
LIVE : CENTRAL

DJ : Eitetsu Takamiya, Casio

19:00 Open / 20:00 Start
Reserve : 3,000yen
Door : 3,500yen

「追記」
CENTRALのヒデロー君とは90年代前半にBINGO BONGOというバンドとの出会いから始まったことを「CENTRAL その1」で書きましたが、その当時BINGO BONGOのマネジャーさんとして出会って以来、今日に至るまで30年以上の長きに渡り、語り尽くせないほどお世話になったソニー・ミュージックの森健司さんが先日、闘病の末に永眠されました。
まだまだ沢山乾杯し、沢山音楽の話をしたかったのに、とても残念でなりません。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

森さん、どうか安らかに。